UFC 330: イアン・マチャド・ギャリーはイスラム・マハチェフからどう生き残るか
UFC 330テクニック分析: イアン・マチャド・ギャリーがイスラム・マハチェフから生き残るために断ち切るべきテイクダウンの連鎖を、デラ・マダレナ戦とベラル戦の数字とともに読み解く。

土曜の夜に向けて、ひとつの神話がオッズに織り込まれている。いわく、イスラム・マハチェフは目の前に立つ相手を掴み、キャンバスに沈め、あとは事務処理のようなもの、というものだ。ブックメーカーはフィラデルフィアのUFC 330でマハチェフがイアン・マチャド・ギャリーに勝つオッズをおよそ-342としており、11月にジャック・デラ・マダレナに対して見せたあの内容の後では、その数字を馬鹿げていると言う者は誰もいない。
しかしテイクダウンは物理法則ではない。それは小さなメカニズムの勝利が連なった鎖であり、ギャリーはマハチェフがこれまで対戦したどのウェルター級の選手よりも、その鎖のいくつかの環を争う武器を持っている。そこで、チャンピオンと5ラウンドを生き延びるために実際に何が必要なのか、そしてこのアイルランド人の17-1という戦績が、どこでそれをできると語り、どこでできないと語っているのかを見ていこう。

写真: Новости ННТ / CC BY 3.0
デラ・マダレナに実際に何が起きたのか
まずはタイトル奪取戦の記録から始めよう。数字は残酷だ。UFC 322のデラ・マダレナ戦で、マハチェフはテイクダウン4回中4回を成功させ、25分の試合のうち19分10秒をコントロールで支配した。トータルストライクは140対30。階級屈指のボクサーであるデラ・マダレナが5ラウンドで当てた有効打はわずか18発だった。あれはレスリングの教科書ではない。人質事件だ。
その数字の裏にあるメカニズムこそが、数字そのものより重要だ。マハチェフは外から飛び込んで祈るタイプではない。サウスポーのジャブと左のキックで相手を金網まで歩かせ、相手の後ろ足が下がる場所を失う瞬間を待ち、スプロールがすでに半ば不可能な距離でレベルチェンジを仕掛ける。ひとたび脚を掴めば、決定率は異常なほど高い。キャリア通算のテイクダウン成功率は56パーセント。何が来るか完全に分かっている相手に対しての数字だ。しかも自身のテイクダウン防御率は91パーセントで、レスリングは常に一方通行にしか流れない。
このシステムのもう半分は忍耐だ。マハチェフの有効打は1分あたりわずか2.45発と、エリートファイターの中でも最も少ない部類だが、命中率は58パーセントで、被弾は1分あたり1.45発にとどまる。彼はスタンドでラウンドを取ろうとしているのではない。打撃の攻防を膠着状態に持ち込み、テイクダウン一発が各ラウンドの行方を決めるように仕向けているのだ。
ギャリーが断ち切れる鎖
次に挑戦者側の言い分だが、これも本物だ。ギャリーは6フィート3インチの身長に74インチのリーチを持ち、チャンピオンに対して身長で5インチ、リーチで4インチ上回る。長い距離で戦い、レンジを支配し、UFCでのテイクダウン防御率は80パーセントに達する。
さらに重要なのは、彼がすでにこのテストの類似版に合格していることだ。同じ系譜のチェーンレスラーであるベラル・ムハンマドは、昨年11月にギャリーへ7回のテイクダウンを仕掛け、成功はゼロだった。ギャリーは有効打で72対56と打ち勝ち、判定をものにした。あの試合はまさに縮小版の設計図だった。早めにフレームを作り、二度目の攻めが来る前に金網から離れて回り、レスラーに打撃で入って来させることだ。
写真: Oisinvg / CC BY-SA 4.0戦績にあるただひとつの黒星が警告ラベルだ。シャフカット・ラフモノフはUFC 310で10回のテイクダウン試行のうち2回しか成功させておらず、20パーセントという数字は紙の上ではギャリーの防御の勝利に見える。しかしその成功した2回のテイクダウンが、ラフモノフに11分41秒のコントロールタイムを、そしてそれとともに試合そのものをもたらした。マハチェフ問題の全てが、この一行に詰まっている。テイクダウンの大半を止めても何の価値もない。チャンピオンに必要なのは数ではなく、ラウンドごとにひとつのグリップであり、しかも彼はラフモノフよりもポジションキープがうまい。
誰も織り込んでいないサウスポーの膠着
ここからが、この試合で私が本当に読みづらいと感じる部分だ。マハチェフはサウスポー。ギャリーはオーソドックスで、彼の最大の武器である長いリアストレートと後ろ足のキックは、オープンスタンスの構え相手に美しく機能する。ギャリーの有効打は1分あたり4.78発、命中率54パーセントと、チャンピオンのほぼ倍の手数を誇り、ベラル戦では66発をディスタンスで当てた。
問題は、この特定の相手にその武器を振るう代償だ。オープンスタンスでの後ろ足のキックは、サウスポーにとって脚をキャッチするか、その下でレベルチェンジする格好の誘いになる。長いコンビネーションの終わりには必ず前足に体重が乗り、それこそがマハチェフが襲いかかる瞬間だ。ギャリーのキックは彼の得点エンジンであると同時に、土曜の夜に彼ができる最も危険な行為でもある。第1ラウンドで彼がそもそもキックを蹴るかどうかを見てほしい。その選択が、陣営のリスクモデルの全てを物語る。
そして、誰も語らないもうひとりのギャリーがいる。4月のカルロス・プラテス戦で自ら19回のテイクダウンを仕掛けて4回成功させ、打撃でも126対63とブラジル人を圧倒した男だ。ギャリーが競技最高のグラップラー相手にレスリングを挑むとは思わない。だがあのスタッツは、彼の金網際の技術とウェルター級でのガス欠耐性が本物であり、激しい5ラウンドが彼にとって未知の国ではないことを示している。直近5試合のうち2試合はフルの25分を戦い抜いている。
処方箋
もしギャリー陣営に私が意見を求められたら、ファイルにはこう書く。背を高く保って戦い、序盤はボディにジャブを突き、キックはアングルを取ってからのみ、そして金網は溶岩だと思って扱え。負けたグリップと格闘してタンクを燃やすくらいなら、ラウンド終盤に来るシングルのテイクダウンは受け入れろ。マハチェフは15分あたり平均3.10回のテイクダウンを奪うのだから、何をしようと2、3回はマットに連れて行かれる。試合を決めるのは、それが何を代償とし、いつ起きるかだ。アレクサンダー・ヴォルカノフスキーは最初の対戦で、素早く立ち上がり、コントロールの1秒1秒を高くつかせることで、マハチェフを紙一重の判定まで追い詰めた。このシステムを人間のものに見せた現代の映像は、いまだにあれしかない。
28歳のギャリーが、そのリーチとテイクダウン防御の数字を武器に、あれの拡大版を25分間やり切れるのか。正直な答えは、土曜の夜にこの全てが突かれずに終わるかもしれないし、全てが突かれるかもしれない、というものだ。だからこそ5ラウンドが組まれている。
このメインイベントは、8月15日土曜、フィラデルフィアのXfinity Mobile Arenaで行われるUFC 330のトリを飾り、メインカードは9 pm ETに始まる。あなた自身の予想はピックエムページで。